滞留在庫とは?発生する原因と対処方法についてご紹介
- ZAIKO control
滞留在庫とは?
滞留在庫とは、将来的に売れる見込みがなく、需要のない商品のことです。「デッドストック」「死蔵在庫」と呼ばれています。値下げしても売れない商品や、パッケージが破損している商品、傷や汚れがある不良品・破損品などは、一般的に滞留在庫に該当します。滞留在庫は、企業にとって様々なデメリットをもたらします。主なデメリットは以下の通りです。
資金の回収困難
滞留在庫商品は売れずに在庫として残るため、投資した資金を回収することが難しくなります。
在庫管理費用の増加
滞留在庫の保管・管理にはコストがかかります。
長期間保管されるため、余分なコストやスペースの占有が発生します。
作業効率の低下
在庫スペースを滞留在庫が占めることで、倉庫内での作業効率が低下する可能性があります。
財務上のリスク
在庫には課税されるため、滞留在庫によって財務上のリスクが生じます。
商品の品質低下
滞留在庫商品は長期間保管されるため、品質が劣化する可能性があります。
順調に利益を出している状態であっても、滞留在庫を多く抱えていれば、企業が黒字倒産に瀕することもあります。
滞留在庫と余剰在庫の違い
滞留在庫と似た言葉に「余剰在庫」があります。
余剰在庫とは、簡単に言うと「売れ残り商品」です。「スリーピングストック」や「休眠在庫」と呼ばれることがあります。滞留在庫が売れる見込みがほとんどない商品であるのに対し、余剰在庫は売れ残った商品でありながらも、将来的に売れる可能性がある点が異なります。
滞留在庫は売れる見込みが少ないため、再販の努力をしても再び売れ残る可能性が高いです。余剰在庫は仕入れた商品が余っているだけなので、売れるような施策を実施すれば、将来的に再び売れる可能性があるものの、時間が経つにつれて滞留在庫になるリスクもあります。
また、余剰在庫も売れ残る場合には品質が低下し、過剰な在庫管理費用が発生するなど、滞留在庫と同様のデメリットが生じるため、在庫を最小限に抑える努力をすることが大切です。
滞留在庫が増える原因
滞留在庫は、売れる可能性がほとんどない在庫です。
滞留在庫を抱えてしまう原因として、一般的に以下の4つが考えられます。
仕入れ過多
滞留在庫が発生する原因として考えられるのが、発注数が多すぎる「仕入れ過多」です。
品切れリスクを回避するために、仕入個数を少し多めに発注することはよくあります。しかし、需要が予想以上に伸びなかった場合、商品が在庫として余ります。売れ行きは天候、立地、客層などで左右されます。新しい店舗を展開した際などは、多少条件が変わるため、今までの店舗の見込みと違って仕入れ過多になってしまうケースも多いので注意が必要です。
仕入れ過多は見込み違いが原因になる場合もありますが、単純な発注ミスで起こることもあります。データを打ち間違えて大量の商品を発注してしまうといった人為的ミスも起こりがちなため、ミスを防ぐためにシステムでエラー表示させる、ダブルチェックするなどの対策が必要です。
部門間の連携不足
会社内には製造部門や販売部門、経理部門など様々な部門が存在します。
しかし、製造部門は「無駄に作りたくない」、販売部門は「多めに仕入れたい」、経理部門は「在庫を抱えたくない」など、各部門は在庫管理に対して異なる考え方を持っています。
各部門が独立して動くと、効果的な在庫管理が難しくなります。
部門間で連携を強化し、状況を見極めつつ在庫を管理する必要があります。
不十分なマーケティング活動
マーケティング施策の実施は、滞留在庫の拡大を防ぐ上で不可欠です。
マーケティング活動が十分に機能していない場合、購買や利益の獲得には繋がりません。
トレンドや需要の変化を把握し、クーポン発行やセールイベントなどの施策を効果的に活用することで、需要の喚起や在庫の回転を促進し、滞留在庫を最小限に抑えることができます。
在庫の整理
適切な在庫管理が行われていないと、在庫があるにもかかわらず商品が不足していると誤解してしまったり、新たに商品を発注してしまうことがあります。
「何が」「どこに」「どのくらい」あるのかを管理できていない状態です。在庫が整理されずに余剰在庫が発生した結果、滞留在庫となってしまうことがあります。
すでにある滞留在庫の対処方法
滞留在庫は、将来的な売れ行きがほぼ見込めないため、倉庫に保管したままではなく、できるだけ早く対処することが大切です。
滞留在庫に対処するには「販売」と「処分」の2つの方法があります。
まずは、「販売」です。買取業者に依頼して商品を買い取ってもらう方法です。
現金を一部回収できるメリットがありますが、ブランドの価値の低下、取引先との関係悪化などのリスクもあるため、慎重に検討する必要があります。
自社で傷や汚れがあることを明記したうえで、「セール品」として大幅に値引きをして販売するといった方法もあります。ただし、滞留在庫は売れる見込みが少ない商品なので、再度売れ残る可能性も考えられるので注意が必要です。
次に、「処分」です。廃棄業者に商品を引き渡して在庫を廃棄します。
この場合、「廃棄損」として損金で計上することが可能ですが、廃棄に伴い棚卸資産額は減少し、売上原価が増加します。決算期末までに廃棄を完了させる必要があります。
滞留在庫を防ぐ方法は
滞留在庫が増える原因として、4つの原因をご紹介しました。
滞留在庫を減らすためには、まずは自社の原因を把握することが大切です。
在庫の整理が行われていない場合は、早急に整理する必要があります。
棚卸の時期を活用し、在庫数を正確に把握するところから始めましょう。
また、社内で滞留在庫や余剰在庫と判断する基準についての共通理解が欠けていることも原因となります。
社内での認識に差異がある場合は、明確なルールを策定しましょう。
発注業務や在庫管理に習慣や勘に頼っている場合、需要予測がうまくいかない場合などは、過去のデータや最新情報に基づいた自動計算のできる業務システムを導入することがおすすめです。
正確な推奨値を計算し、在庫管理を効率化することができます。
滞留在庫を減らすためには、自社の状況に合わせた対策を取ることが重要です。
具体的な原因を分析し、それに適した対策を取り入れることで、効果的な在庫管理が実現できます。
滞留在庫を防ぐには「SIMLES – ZAIKO control」がおすすめ
滞留在庫を防ぐためにおすすめなのが、弊社ワールドグループの株式会社ファッション・コ・ラボが展開する、店舗・EC・物流をシームレスに繋ぎ、最適な在庫の配分・移動を自動化する「SIMLES-ZAIKO control(在庫コントロール)」です。
SIMLES-ZAIKO control(在庫コントロール)とは?
SIMLES-ZAIKO controlは、売れる店舗やECへ、最適な在庫の配分・店舗間移動を「自動化」する業務システムです。
最適な在庫の配分を自動計算し、配分や店舗間移動させることができるため、余剰在庫や滞留在庫を未然に防ぐことができます。
さらに、数クリックで業務を完結できるといったメリットもあり、業務効率化や省人化も実現できます。
属人的かつアナログな方法で行われていた配分業務の精度を高めることで、滞留在庫の削減や粗利益の最大化が期待できます。
SIMLES-ZAIKO controlの特徴
SIMLES-ZAIKO controlは、ワールドグループが2,000以上の店舗、ECサイト展開、そして外販で培ってきた経験をフルに活かして開発されたクラウドシステムです。
開発ベンダーではなく、実際の事業実践で蓄積されたノウハウが実装されています。
アイテム別や店舗/EC別の売上実績や在庫状況などの情報を見える化し、分析だけでなく、推奨アクションを自動的に算出し、業務実行までワンツールで完結できます。
常に最適な在庫配分が行われるため、余剰在庫や機会損失を防ぐことができます。
弊社ワールドグループに加え、年商数百億円のレディースやコスメを主力とした大手アパレル企業様にも導入されているシステムです。導入クライアント様のニーズに合わせて自動的に進化するSaaSとして提供するため、自社開発にかかる投資や時間を大幅に省くことができます。
まとめ
滞留在庫は将来的な売れ行きが見込めず、企業にとって様々な問題を引き起こします。
滞留在庫を解消するためには、大幅値引きによる販売や処分などの方法しかありません。
企業が大きな損失を被らないためにも、余剰在庫や滞留在庫は未然に防ぐことが大切です。
今回は、売れる店舗やECへ、最適な在庫の配分・店舗間移動を「自動化」する「SIMLES – ZAIKO control」についてもご紹介しました。
導入やお見積もりなど、ぜひお気軽にご相談ください。