アパレル業界の現状からみる将来性。売上を確保するための方法とは。

2023.10.27
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アパレルの将来性

アパレル業界現状

アパレル業界は、2014年頃から売上がほぼ横ばいの状態を保っていました。しかし、2020年の新型コロナウィルスの流行は業界に大打撃を与え、外出の機会が減少したことにより売上は大幅に落ち込みました。

多くの大手アパレル企業は、店舗の閉鎖やブランド撤退、人員削減、さらには破産を申請するなど、多大な打撃を受け、一部の外資系のファストファッションブランドも日本市場から撤退しています。

さらに、2022年に入ると、原油価格が高騰し続け、円安が進んだ影響で、エネルギーや原材料のコストが更に上昇し、原材料調達や海外製造の費用が急増しました。アパレル業界を取り巻く環境は一層厳しくなり、その影響は深刻化しています。このような状況下では、新たな戦略を導入しない企業の生き残りはますます困難となります。

今後の課題

新型コロナウイルスの影響や円安による経済状況の変化は、消費者のファッションアイテムに対する興味を薄らげ、購入意欲を抑制しています。一方でファストファッションの品質は向上しており、消費者側も機能性が高くデザイン性が優れていれば、あえて高級ブランドなどを買わなくても良いという新たなニーズが高まっています。

アパレル業界の販売チャネルも変化しており、コロナ禍を境に百貨店や量販店などが前年度の売上を下回る一方で、EC化率が高まり始めています。

新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の発令は、実店舗の売上が大幅に落ちるという大きな問題を引き起こしました。しかし、今後は、これから多様化する顧客ニーズを把握し、ITやデジタル技術を積極的に活用して成長に繋げることが課題となっています。

物価の高騰によって、消費者は良質な商品を手頃な価格で便利に購入したいというニーズが高まっています。このニーズに対応するためにも、アパレル企業はECやデジタルマーケティングを強化し、興味を失った顧客に対してはどうアプローチをするか、価格に敏感な顧客にとって最適なタイミングで商品を提案するといったことも重要となります。

今後はITやデジタル技術を活用し、顧客が満足するような購買体験を提供することが必要です。さらに、原油価格の高騰や円安に伴うコスト高の影響で商品価格を下げられないなか、過剰在庫を抱えない販売機会を逃さない、無駄な費用を削減するなど新たな課題も点在しています。

アパレル・ファッションECサイト市場規模

経済産業省の電子商取引に関する市場調査*によると、2022年の国内BtoC-EC市場規模は前年比9.91%増の22.7兆円に達しました。

2020 年、2021 年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響から「巣ごもり需要」として、食品・アパレル・書籍などの「物販系分野」においてものEC市場は拡大しましたが、2022年には13 兆 9,997 億円に達し、前年比で5.37%増となりました。さらに、EC化率は前年より0.35ポイント増えて9.13%となり、伸び率が鈍化しつつも増加傾向を維持しました。 消費者が実店舗への回帰を始めたことで、オンライン販売の需要が鈍り、その結果伸び率の緩慢な成長を引き起こしたと考えられます。

 

EC市場規模及びEC化率

*出典:令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書
図表:物販系分野の BtoC-EC 市場規模及び EC 化率の経年推移データを元に筆者が作成

ファッション・アパレル業界のEC化率

EC化率とは、全購買の中でEC(電子商取引)による購入が占める割合のことを指します。
例えば、EC化率が10%ならば、全顧客の買い物のうち、約1割がオンライン上で行われているということになります。

先にご紹介した経済産業省の電子商取引に関する市場調査*の「物販系分野のBtoC-EC市場規模」の内訳に注目してみると、「衣類・服飾雑貨等」のEC化率は21.56%となり、全購入のほぼ5分の1がオンラインで購入されていることがわかります。物販系分野の平均EC化率が9.13%で1割以下に満たないことを考えると、アパレル・ファッション業界のEC化率は他業界と比較して非常に高いと言えるでしょう。しかし、「書籍、映像・音楽ソフト」のEC化率は52.16%を達成していることを考えると、「衣類・服飾雑貨等」すなわち、アパレル・ファッション業界のEC化率はさらに引き上げる余地が存在していると言えます。

アパレル・ファッション業界のEC化率
*出典:経済産業省「物販系分野のBtoC-EC市場規模」

顧客体験を高めるアパレルECの新戦略:OMO導入の成功例

EC化率とは

「衣類・服飾雑貨」のBtoC-EC市場規模は、2022年からは増加が緩やかになりました。その背景には、消費者が実店舗への回帰を始めたため、ECの役割が変化し始めていると言えます。
これは、単にEC化を進めることだけでなく、新たな戦略が求められていることを示しています。

ECサイトだけでは、「期待していたものと違った」「サイズを間違えた」「色がよくわからない」」「どのようにコーディネートすれば良いのか分からない」など、実際に商品に触れないことから生じる問題が存在します。これらはECだけでは顧客満足度を下げる要因となるため、解消が必要となります。

そこで注目されているのが、オフラインとオンラインの融合を図る「OMO(Online Merges with Offline)」といった、顧客体験(CX:カスタマーエクスペリエンス)の向上を目指すマーケティング手法です。これらの取り組みはオンラインとオフラインの境界を取り払い、アパレル業界のEC化をさらに推進し、顧客にとって魅力的な購買体験を提供しています。

OMOを導入すれば、「欲しいサイズや色が店舗にない」「試着だけ済ませて商品は家で受け取りたい」等の購買体験のストレスを解消しつつ、その場でECサイトから注文することができます。また、オンラインでクーポンなどを発行し、実店舗に誘導する新たな施策も実現可能です。

成功例としては、多ブランドを持つアパレルメーカーが、OMOを活用してECサイトと実店舗の会員データやポイントを統合する、購買履歴に基づいたスタイリングの提案を行うなど、新たな購買体験を顧客に提供し、売上向上を実現しています。このように、OMOを導入することによって売上拡大につながる可能性を秘めています。

OMOとは?重要性と施策例を元にわかりやすくご紹介

OMOサービスに対応した構築・運営サービスが可能な「SIMLES-EC&POS」がおすすめ

高いEC化率を実現するためには、顧客満足度を向上させるOMOなどの施策の検討が必要です。OMOの導入を進めていくのにおすすめなのが、ワールドグループの株式会社ファッション・コ・ラボが展開する「SIMLES-EC&POS」です。
OMOソリューション

ワールドグループは、2023年10月末現在で62の多彩なブランドを展開し、国内・海外で2,262店舗を展開しています。「SIMLES-EC&POS」は、ワールドグループの実績や外販経験で培った数々のノウハウを実装したシステムとなっています。

実際にOMOを提供したくても、パッケージや自社開発の改修に限界を感じている企業は多いでしょう。「SIMLES-EC&POS」は、ECサイトと実店舗の在庫や会員を統合管理し、相互に送客&販売を促進するOMOに対応した、EC・POS・CRMシステム&構築・運営サービスです。

大規模なECサイト(10億円から1,000億円規模)のハイトラフィックや、複雑な物流・在庫・顧客連携にも対応でき、大手アパレル企業や大手通販企業への導入事例もあります。実践で培われた2,000以上の機能から、自社の規模やニーズに合わせて必要な機能だけを選ぶことも、フルサポートを受けることも可能です。

まとめ

アパレル業界は2020年から新型コロナウイルスの影響を受け、更にその後は原油高騰や円安によるコスト高など、新たな困難に直面しています。国内BtoC-EC市場規模は他の分野に比べて大きく、EC化率も伸びていますが、まだまだ拡大の余地があります。

今後、多様化する顧客ニーズに対応するためにもOMOを推進し、顧客満足度を向上していかなければなりません。OMOの推進を効率的に行うためには、新たなシステムの導入などの施策が必要になってきます。

今回は、OMOにも対応可能な、ワールドグループが実績や外販経験を活用したシステム&サービス「SIMLES-EC&POS」についてもご紹介しました。
導入やお見積もりなど、ぜひお気軽にご相談ください。

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