円安打撃!コスト高を乗り越えるための販売戦略をご紹介
- ZAIKO control
- EC&POS
- BI

円安によるコスト高が厳しい現状
円安が止まらず、数十年ぶりの水準を記録するなど、多くの業界においてコスト高の懸念が広がっています。原材料はもちろんのことエネルギーも価格が高騰し、調達先の切り替えを迫られる企業も増加しています。
帝国データバンクが7月に実施したアンケート調査*によると、円安によるマイナスの影響・理由として「原材料価格の上昇でコスト負担が増えた」「燃料・エネルギー価格の上昇でコスト負担が増えた」と回答した企業は、全体の7~8割に達している状態です。
マイナスの影響を受けている業界をジャンル別に見ると、卸売、製造、運輸・倉庫はいずれも80%を超えています。卸売のなかでもアパレル業界では、9割超の企業がコスト増の負担を実感しているという回答でした。円安は通常、輸入を促すことにもなり日本経済にとってはプラスの影響があることもあります。
しかし、今回は円安によるコスト高の影響が大きく、多くの企業が厳しい現実にさらされています。
円安とは
そもそも円安とは、円の価値が低くなることを意味します。
例えば、1ドル100円だった為替相場が1ドル150円になると、今まで1ドル分のものを買うのに100円で済んでいたものが150円を払わなければなりません。円安は輸出に有利な影響を与え、国際競争力を高められるというメリットがあります。
しかし、交換できる外貨が少なくなり、海外の商品やサービスを輸入する際は不利です。
エネルギー資源や原材料を海外から仕入れる場合は、自ずとコスト高になり、消費者の生活も圧迫してしまうことがあります。さらに、獲得できる外貨が減ってしまうため、海外旅行も割高になるというデメリットがあります。
なぜコスト高になる?

日本では多くのものを輸入に頼っている状態です。例えば、製造業に必要な鉄、銅、アルミなど原料になるものは全て輸入品です。円安の追い風を受けて、海外から大量の注文が殺到したとしても、材料が不足しているため製品が作れないこともあります。
原材料のほかにも、日本は原油や石炭など、多くのエネルギー資源を輸入でまかなっています。特に原油は、気候変動や国際情勢の影響で価格が高騰し続け、円安でさらに価格が高騰している状態です。原油価格の高騰は電気代にも大きな影響を与えます。電気料金は、原油や天然ガスの輸入価格を自動反映させる「燃料費調整制度」を経て決定するので、自ずと電気代も上がってしまうのです。
材料を海外から輸入し、全国各地に運搬するためには、物流コストも必要となります。このようなことから、円安になって多くの企業がコスト高になる理由は
「原材料」「エネルギー」「物流コスト」それぞれの価格の高騰が原因となっていることがわかります。
円安によるアパレル業界の打撃は
日本では、国内で販売される衣類のほとんど全てを輸入でまかなっている状態です。経済産業省が2020年に発表した「繊維産業の現状と経済産業省の取組」*によると、国内アパレル市場において、衣類の国内供給量に占める輸入品の比率である「輸入浸透率」は増加し続けており、2018年には97.7%となっています。
また、繊維原料の輸入率も高く、綿花や羊毛は、ほぼ全てが輸入品です。海外から原材料を仕入れ、国内で生産する場合でも、原材料が高騰していることに加え、原油や電気代の高騰でコスト高になってしまいます。海外生産を行っている場合は、円安による人件費の上昇や輸送費の高騰で、同じく打撃を受けてしまいます。
顧客側の事情を考えても、円安による家計の圧迫でファッション衣料を買っている場合ではないという状況です。「物価が高騰している今は洋服を買うお金を節約したい」「生活費に余裕がない」などの理由で、アパレル製品はますます売れなくなります。企業側も原材料の高騰と円安による輸入の高値買いによって、コストを引き下げることが難しい状況のなか、製品自体を安くすることもできず大打撃を受けているという状況です。
乗り越えるための今後のアパレル販売戦略は

ほとんど全てを輸入で賄っているアパレル業界は、円安で大きな打撃を受けていることがわかりました。
物価高による消費者の買い控えもあり、非常に深刻な状況です。
そのため、いつまで続くかわからない物価高や円安に対して、新たな戦略を打つ必要があります。
在庫管理の徹底
新たな戦略としておすすめなのが、在庫管理の徹底です。
日本は毎年多くの衣類を輸入し、多くの衣類が在庫として残っています。国内のアパレル製品は明らかに過剰供給されており、地球規模の課題となっているサステナブルの流れにも逆行している状態です。
余剰在庫を多く抱え、値引きの対象が広がれば、コスト高をカバーできず赤字に傾いていくでしょう。しかし、需要予測や発注の適正化を実施し、無駄な在庫を持たないことで、値引き率を抑制してコスト高をカバーすることが可能となります。
近年は流行の流れも速く、ワンシーズンで売り切らなければ多くの在庫を抱えることになります。「流行りの影響を受けにくい商品は長期に取り扱う」「流行りの影響を受けやすい商品は可能な限り少なくする」などの工夫も必要です。
機会ロスの削減
小売業者が抱える機会ロスを減らすことも、今後の大きな戦略に必要となってくるでしょう。
機会ロスとは、商品があれば売れていたにもかかわらず、欠品や不足によって販売機会を逃すことです。
機会ロスを減らすことによって、本来得ていたはずの売上を確保できます。
最近は、オンライン(ECサイト)とオフライン(実店舗)を統合したOMOというマーケティング方法も注目されています。実店舗で顧客が求める色やサイズがなければ、その場でオンラインのサービスの提案を行うなど、機会ロスを減らす工夫も必要です。
「SIMLES – ZAIKO control」の活用がおすすめ
円安による原材料、エネルギー、物流コストなどのコスト高に対処するためにアパレル企業にできることは、適正な仕入れと在庫管理の徹底です。
そこでおすすめしたいのが、ワールドグループの株式会社ファッション・コ・ラボが展開する「SIMLES-ZAIKO control」です。
SIMLES-ZAIKO controlとは?
SIMLES-ZAIKO controlとは、ワールドグループが2,000を超える店舗やEC展開、外販で培ってきた経験をフルに活かし、配分と売価コントロールのノウハウをクラウドシステム化したものです。
業務知見のない開発ベンダーと異なり、事業実践で培われた実績あるノウハウが実装されています。
売れる店舗やECへ、最適な在庫の配分・店舗間移動を「自動化」する業務システムとなっており、個店毎のフェイスや直近の売上動向等から最適な配分・売価変更を自動計算します。複数の場所からデータ抽出することも可能です。
在庫が常に最適な状態で配分されるため、余剰在庫や機会ロスが発生しづらくなります。 また、今までエクセルなどで行っていた資料作成からも解放され、いつどこからでも各店の在庫が「見える化」されます。データが見える化され、分析できるだけではなく、数クリックで業務を完結できるため、省人化も可能です。
下記のように、導入クライアント様のニーズに対応し、自動進化するSaaSとして提供するため、自社開発による投資と時間を大幅に省くことができます。
「SIMLES-ZAIKO control」は既に、年商数百億円のレディースやコスメを主力とした大手アパレル企業様にも導入されているシステムです。
SIMLES-ZAIKO controlの導入メニュー
- 既存の基幹システムのデータを整備したうえで連携・提供
- 分析、改善実行に向けた在庫の配分、売価変更の業務ソリューションを備えたクラウド分析ツール「SIMLES-BI」とセットで提供
- .基幹システム自体の再構築とセットで提供
まとめ
円安による原材料、エネルギー、物流コストなどのコスト高は、業界全体に打撃を与えています。
そのなかでも大きな影響を受けているのがアパレル業界です。いつまで続くかわからない状況に対して、早急な対応が迫られます。
打開策としては、在庫管理の徹底や機会ロスの削減などがあります。
今回は、売れる店舗やECへ、最適な在庫の配分・店舗間移動を「自動化」する「SIMLES–ZAIKO control」についてもご紹介しました。
在庫管理の改善などを計画している場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
「SIMLES – ZAIKO control」についてはこちら