円安打撃!コスト高を乗り越えるための販売戦略をご紹介
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円安によるコスト高が厳しい現状
円安が続いていることで、多くの業界がコスト高の問題に直面しています。原材料やエネルギー価格の高騰により、調達先の切り替えを迫られる企業も増加しています。
帝国データバンクのアンケート調査*によると、円安によるマイナスの影響・理由として「原材料価格の上昇でコスト負担が増えた」「燃料・エネルギー価格の上昇でコスト負担が増えた」と回答した企業は、全体の7~8割に達している状態です。
マイナスの影響を受けている業界をジャンル別に見ると、卸売、製造、運輸・倉庫はいずれも80%を超えています。卸売のなかでもアパレル業界では、9割超の企業がコスト増の負担を実感しているという回答でした。
通常、円安は輸入を促進し、日本経済にプラスの影響を与えることがあります。
しかし、今回の円安はコスト高の影響が大きく、多くの企業が厳しい状況に立たされています。
円安とは
そもそも円安とは、円の価値が他の通貨に比べて低下することを意味します。
たとえば、為替相場が1ドル100円だった場合、1ドル分のものを買うのに100円かかります。しかし、為替相場が1ドル150円になれば、同じものを買うためには150円必要になります。
円安の影響は、輸出と輸入に対して異なる結果をもたらします。輸出企業にとっては、円安は競争力を高め、輸出品が他国でより安価になるため売れやすくなる利点があります。一方で、輸入企業にとっては円安はエネルギーや原材料のコスト高に繋がり、海外からの商品や原材料の価格が上がってしまいます。企業のコスト高に伴い製品の価格が上昇し、消費者の生活負担が増える可能性があります。
なぜコスト高になる?
日本では原油や石炭など、多くのエネルギー資源を輸入でまかなっています。
特に原油は、気候変動や国際情勢の影響で価格が高騰し続け、円安でさらに価格が高騰している状態です。原油価格の高騰は電気代にも大きな影響を与えます。電気料金は、原油や天然ガスの輸入価格を自動反映させる「燃料費調整制度」を経て決定するので、自ずと電気代も上がってしまうのです。
円安によって多くの企業がコスト高になる理由は、エネルギーや原材料の価格の高騰が原因となっていることがわかります。
円安によるアパレル業界の打撃は
日本では、国内で販売される衣類のほとんど全てを輸入でまかなっている状態です。日本繊維輸入組合が公表した「日本のアパレル市場と輸入品概況2023」*によると、国内アパレル市場において、衣類の国内供給量に占める輸入品の比率である「輸入浸透率」は増加し続けており、2022年には98.5%となっています。
また、繊維原料の輸入率も高く、綿花や羊毛は、ほぼ全てが輸入品です。海外から原材料を仕入れ、国内で生産する場合でも、原材料が高騰していることに加え、原油や電気代の高騰でコスト高になってしまいます。海外生産を行っている場合は、円安による人件費の上昇や輸送費の高騰で、同じく打撃を受けてしまいます。
さらに消費者側も、円安による生活費の圧迫により節約の意識が高まっています。
「物価が高騰している今は洋服を買うお金を節約したい」「生活費に余裕がない」などの理由で、アパレル製品はますます売れなくなります。
このような状況下で、アパレル業界では企業側も原材料やエネルギー高騰によるコスト高をどのように補うかを検討し、販売戦略の見直しをすることが必要不可欠です。
乗り越えるための今後のアパレル販売戦略は
アパレル業界が、円安によるコスト高に立ち向かうためには、戦略の見直しが必要です。
在庫管理の徹底
効果的な戦略の一つとして挙げられるのは、在庫管理の徹底です。日本は毎年多くの衣類が在庫として残されており、国内のアパレル製品は過剰供給されています。この状況は、地球規模の課題となっているサステナビリティの流れと逆行している状態です。
余剰在庫を抱え、値引きの対象が広がることで、コスト高をカバーできずに赤字に傾いていく可能性があります。しかし、在庫の最適な配分や売価変更を実施し、常に最適な状態で在庫管理を行うことで、値引き率を抑制しコスト高に対処することができます。
近年は流行が早く変わる中、ワンシーズンで売り切らなければ在庫が膨らむことになります。
「流行りの影響を受けにくい商品は長期に取り扱う」「流行りの影響を受けやすい商品は可能な限り少なくする」などの工夫も必要です。
OMO施策の展開
小売業者が抱える機会ロスを減らすことも、今後の戦略に必要となってくるでしょう。機会ロスとは、商品があれば売れていたにもかかわらず、欠品や不足によって販売機会を逃すことです。機会ロスを減らすことによって、本来得ていたはずの売上を確保できます。
最近は、オンライン(ECサイト)とオフライン(実店舗)を融合したOMOというマーケティング手法も注目されています。OMO施策により在庫連携が実現し、たとえば実店舗で顧客が求める色やサイズがなければ、その場でオンラインのサービスの提案を行うなど、機会ロスを減らすことが可能となります。
「SIMLES – ZAIKO control」の活用がおすすめ
円安による原材料、エネルギー、物流コストなどのコスト高に対処するためにアパレル企業ができることは、在庫管理の徹底です。そこでおすすめしたいのが、ワールドグループの株式会社ファッション・コ・ラボが展開する「SIMLES-ZAIKO control(在庫コントロール)」です。
SIMLES-ZAIKO controlとは?
「SIMLES-ZAIKO control」とは、ワールドグループが2,000を超える店舗、EC展開そして外販で培ってきた経験をフルに活かし、配分と売価コントロールのノウハウをクラウドシステム化したものです。開発ベンダーではなく、事業実践で培った実績あるノウハウが実装されています。
売れる店舗やECサイトに最適な在庫の配分や店舗間移動を「自動化」する業務システムとなっており、個店毎のフェイスや直近の売上動向等から最適な配分や売価変更を自動計算します。在庫が常に最適な状態で配分されるため、余剰在庫や機会ロスを防ぐことができます。
さらに、今までエクセルなどで行っていた資料作成の手間も解消されます。いつどこからでも各店の売上動向や在庫が「見える化」され、在庫回転率などのデータの分析を行い、推奨アクションを自動算定し、業務実行までワンツールで完結できるため、業務効率化による省人化も実現できます。
「SIMLES-ZAIKO control」は、弊社ワールドグループに加え、年商数百億円のレディースやコスメを主力とした大手アパレル企業様にも導入されているシステムです。導入クライアント様のニーズに対応し、自動進化するSaaSとして提供するため、自社開発による投資と時間を大幅に省くことができます。
まとめ
円安による原材料やエネルギーなどのコスト高は、業界全体に打撃を与えています。
そのなかでも大きな影響を受けているのがアパレル業界です。いつまで続くかわからない状況に対して、早急な対応が迫られます。
打開策としては、在庫管理の徹底や機会ロスの削減のためのマーケティング施策などがあります。
今回は、売れる店舗やECへ、最適な在庫の配分・店舗間移動を「自動化」する「SIMLES–ZAIKO control」についてもご紹介しました。
在庫管理の改善などを検討している場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
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