MD(マーチャンダイジング)とは?初心者に向けてもわかりやすく解説します

2022.09.09
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MD(マーチャンダイジング)とは

MD(マーチャンダイジング)とは?

MD(マーチャンダイジング)とはどのようにして顧客に商品を届けるのか戦略を考える手法の1つです。

商品の方向性を決めるための重要な役割を担っており、商品や顧客の動向・トレンド分析や商品開発から販売計画の立案を行います。

そのため企業の利益に直結する重要な役割といえるでしょう。

具体的には下記の施策内容を決めています。

 

商品の仕入れ・価格の設定・販売方法・店舗での陳列方法・販促方法 等

 

MDの仕事は内容が多岐にわたるため、経験と知識が求められます。

そのためマーチャンダイジングの精度が、企業の利益や財務状態、そして顧客満足度の良し悪しに直結するとも言えます。

マーチャンダイジングの「5つの適正」

適切な商品をお客様に提供するには、考えるべき5つのポイントがあります。

小売業界では「5つの適正」(通称、マーチャンダイジングの5適)と呼ばれています。

「5つの適正」とは、マーチャンダイジングを行う上でアメリカ・マーケティング協会(AMA:American Marketing Association)が定義した重要な基準です。

多くのMDは「5つの適正」を軸に計画を立てています。

 

1.適正な「商品」

2.適正な「時期」

3.適正な「場所」

4.適正な「数量」

5.適正な「価格」

1.適正な「商品」

品揃えが適切なのか、求められている商品は市場で売り出されているのか。

店舗においてもっとも重要なポイントです。「品揃えが悪い」と思われるのは消費者のニーズに合致した商品がないということになります。

そのお店の「品揃えが悪い」と思われれば、消費者をリピーターにする可能性も低くなり、安定した売上は見込めなくなります。

ただ商品の数を沢山揃えたら良いわけではなく、今の市場を理解し消費者のニーズのある商品をそろえることが重要です。

2.適正な「時期」

時期に合った商品を仕入れられているのか。

時期、時間によって売れ行きが変化する商品があります。それに合わせた商品を消費者に向けて販売する必要があります。

例えば、夏の暑い日に羽毛布団や暖房器具等はあまり売れず、お酒類は朝よりも夜に需要があります。

特に季節アイテムの売れ逃しは在庫が残ってしまうため、仕入と販売のタイミングは注意をする必要があります。

3.適正な「場所」

消費者の立場になって関連性が深い商品を揃えられているか。

商品を陳列する場所にも適正があります。消費者目線になってわかりやすく商品を配置することで買い物しやすくすることができます。

適正な陳列「場所」を考えるポイントとしては下記が挙げられます。

 

・仕入先

・販売店舗

・陳列場所(商品の陳列場所) 等

 

特に消費者目線になって「どこに商品が見つけやすいか」ということを意識して陳列することで、消費者にとって最適な陳列場所を見つけ出すことができます。一方で店舗側は消費者に対し、出来るだけお店での滞在時間を長くしてほしいという考えがあるかもしれません。

ただ、お店側の都合で滞在時間を長くすることは、消費者離れを起こす可能性もあるため注意が必要です。

4.適正な「数量」

時期に合わせた販売数量の調整が出来ているか。

消費者のニーズを捉えて売れる商品を陳列することは大切ですが、それに合わせて適正在庫なのかということにも注意が必要です。

定番商品の在庫がいつも不足していて、売り切れの状態が続けば、消費者に「品揃えが悪い」という印象を与えます。

逆に在庫の抱えすぎにも注意です。店舗の在庫は借金とも言えるため、在庫が残り続ける状態は借金が増えている状態ともいえます。

そのため、販売戦略に合わせて適正在庫のバランスを保つことがポイントです。

5.適正な「価格」

商品の価格が消費者の求めている適正価格かどうか。

消費者のニーズを捉えていて、在庫も適正、陳列場所も適切だとしても「価格」が適正でないと意味がありません。

 

価格は消費者目線、店舗目線、どちらでも考える必要があります。

安ければ安いほど消費者にとっては嬉しいですが、店舗としては利益を出す必要があります。

また、販売戦略として、単純に販売価格だけではなく、仕入価格、販売価格、値引、最終価格等まで考える必要があります。

価格設定は顧客満足につながる重要な要素です。

例えば、生産終了した商品は価格を下げる、売れる商品は価格を下げない、新商品はわざと値引いてお得感を出すなどと工夫をすることです。

店舗と消費者のバランスを考えた適正な「価格」をつけてみましょう。

マーチャンダイジングの種類

MDの適性

いくつか種類がありますが、主に下記の5つです。

ビジュアルマーチャンダイジング(VMD): 視覚に訴えかけるマーチャンダイジングの手法

インストアマーチャンダイジング:データを活用して購買意欲を高め収益アップを図る手法

ウェザーマーチャンダイジング:天気や気候による消費者の行動を売り場づくりに活かす手法

クロスマーチャンダイジング(クロスMD)

異なるカテゴリーの商品を組み合わせて同じ売り場に陳列し、相乗効果で購入を促す手法

ライフスタイルマーチャンダイジング:消費者のライフスタイルに合わせた商品を展開する手法

ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)

視覚に訴えかけるマーチャンダイジングの手法です。

店舗での商品、サービスの陳列方法や演出方法を工夫して商品、サービスが魅力的にみえるように視覚的に訴えることができます。

この手法を行うことで他店舗との差別化を図ることができ、オリジナリティを主張することができます。

消費者の購買意欲を引き出すことにもつながります。

例えば、ファッション業界ではマネキンにコーディネートを着せることで消費者にイメージしやすい見せ方や、特設コーナー等を作って関連の商品を集めるだけでも購買意欲を引き出すことが可能になります。

インストア(ISM)マーチャンダイジング

販売データなどを活用して、消費者のニーズを分析し、POPやディスプレイなどを活用した店内での販促・売場のレイアウト変更・陳列の位置や量の変更といった、いかに店頭の購買につなげるかという一連の活動を指します。

コストをかけずに実施できることが多く、実施しやすい手法のひとつです。

 

購買点数と客単価のアップのため、最も効果的な店内演出、魅力的な品揃え、効率的な陳列や棚割によって来店客の関心を引き、購買を促進する最も基本的かつ重要な機能と言えます。

 

「単価の高い商品」を「より多く買ってもらう」ため消費者の視点を意識し、最適な売り場づくりのために試行錯誤を繰り返しましょう。

ウェザーマーチャンダイジング

天気や気候による消費者の行動を売り場づくりに活かす手法です。

人は天気や気候に左右されるため事前に天気や気候で行動予測を押さえておくと売上アップにつながります。

例えば、一般的に暑い夏に熱いおでんを出すよりも冷たいアイスクリームのほうが好評です。

さらに、例年よりも早く暑くなるという予報が出ているのであれば仕入のタイミング、販売のタイミングを少し早くする等の施策を打つことができます。

難点といえば、天気や気候はコントロールすることができないということです。

ただ、前年のデータ等を連動することで予測が立てやすくなり他の店舗よりも早く戦略が立てられるかもしれません。

クロスマーチャンダイジング(クロスMD)

異なるカテゴリーの商品を組み合わせて同じ売り場に陳列し、同時購入を促す販売手法です。

一般的には同じカテゴリーごとに商品を陳列しますが、あえて異なるカテゴリーの商品を同じ売り場に陳列して購買につなげます。

よく見るパターンだと、酒類の売場におつまみが一緒に陳列されています。

これは購入予定のなかった商品を一緒に購入させようという非計画購買を意図した手法です。

顧客の行動分析を行い、消費者の店頭での行動を調査した上で売上構成を考案することで精度を上げていきます。

アイディア次第で、より相乗効果が期待できる商品やアイテムの組み合わせパターンは無限に広がります。

ライフスタイルマーチャンダイジング

消費者のライフスタイルに合わせた商品を展開する手法のことです。

例えば、登山好きな人をターゲットにテントや、リュックなどの登山用品のほかにアウトドアウェアや、関連アイテムとしてキャンプ用品にも興味が出たりするかもしれません。

消費者に対して様々なライフスタイルを考慮し、関連した複数の分野の商品を扱うことで客単価のアップを図ります。

「消費者視点で考える」ことがマーチャンダイジングの効果を最大化するポイント!

MDの効果を最大化するためには、徹底的に「消費者の視点で考える」ことが大切です。

ただ、もっとも大切と言えることは商品を消費者の手元に届けることです。

そのために消費者の視点で仕入・価格設定等を行う必要があります。

例えば店舗都合で価格を決定し、並べやすいように陳列するとどうなるでしょう。

消費者にとっては価格が高すぎ、商品を探すのに一苦労などの不満に繋がるかもしれません。

ポイントは、無意識に行われる消費者の購買行動の傾向をつかみ、購買の障壁となるポイントを改善し、購買が促進されるポイントを店舗や売場に落とし込み、消費者から喜ばれ選ばれる店舗にすることです。

まとめ

販促の効果を上げるためにMDを理解して活用しましょう!

MDとは商品を消費者の手元に届けることです。

 

その店舗にあった「5つの適正」を分析し正しく設定し、必要に応じた手法を選ぶため、工程自体はそこまで難しくありません。

消費者にとって魅力的な店舗・売場づくり、販促が出来れば売上アップも期待できます。

陳列などは費用をかけずにすぐ取り込める手法なので、出来そうなものから是非チャレンジしてみてください。

ツールの活用も是非ご検討ください!

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