在庫回転率とは何か?計算方法、改善ポイントをご紹介

2022.12.20
SIMLESソリューション
  • ZAIKO control
在庫回転率とは

在庫回転率とは?

在庫回転率とは、1年間など設定された固定期間にその在庫がどのぐらい入れ替わったのかを示す指標のことです。例えば、ある商品の平均在庫が50個だった場合、100個消化すると在庫回転率は2となります。

金額の場合、平均在庫の価値が100万円の商品が200万円分売れた場合の在庫回転率は2になります。 在庫回転率を見ると商品の入れ替わりのスピードがわかります。

在庫回転率の数値が大きければ商品がスピーディーに消化されていることになります。

ただし、在庫回転率の数値が大きすぎても商品不足のために売り切れによる機会損失も考えられるため注意が必要です。逆に数値が小さい場合、商品消化に時間がかかってしまうとも言えます。 在庫回転率は、業種により平均水準が違ったり、商品の種類、季節などでも変動するものです。

なので、現状の数字の推移を確認し、水準を定め変動要因を把握することがポイントになります。
そのために前年同期比や同業他社と比較してみるのがお勧めです。

在庫回転率を把握すると得られる3つのメリット

在庫回転率を把握することでどんなメリットを得ることができるのでしょうか。

主に3つのメリットが挙げられるため、ひとつずつ紹介していきたいと思います。

1 . 顧客のニーズが把握出来る

在庫回転率の高い商品は、「顧客が購入する頻度の高い商品」とも言えます。
商品ごとの在庫回転率をみることで、回転率の高い商品は在庫を増やし、在庫回転率が低い商品は在庫を減らす必要があります。

また、顧客がどの商品を求めているのかも推測でき、
そこからニーズの把握、商品の開発にもつなげることができるかもしれません。

2 . 在庫の動きが”見える化”出来る

在庫回転率を把握することで、商品の動くスピードが客観的に見えるようになります。
在庫の動きを日々観察することも大切ですが、在庫回転率から導かれる在庫の動きを注視することで、
販売スピード、販売される商品の数量を具体的に把握することができます。

3 . 過剰在庫などコスト削減を期待できる

定期的に在庫回転率を把握しておくことで、現在のデータと過去のデータを比較し、現在の在庫ボリュームが適正在庫なのか判断することができるようになります。在庫回転率の低い商品は、売れ行きがあまり芳しくなく倉庫に滞留し管理コストがかかっている商品と言えます。

在庫回転率が悪化しているにも関わらず同じ量の入荷を繰り返していると、販売が追い付かず過剰在庫となってしまいます。売れない商品を長期間保管するということは、保管コストの問題だけではなく最終的には不良在庫となり、さらに廃棄コストが発生することも想定できます。

在庫回転率を追うことで売れ行きの変化に早期に気が付くことができれば、
管理コストや、破棄コストなどの無駄なコストを抑制することが可能になります。

在庫回転率の計算方法

在庫回転率

在庫回転率の計算方法はとてもシンプルで、売上の金額もしくは在庫の個数で計算することができます。

在庫の個数で計算する方法と、売上金額で計算する方法の大きく2通りの計算方法があります。
どちらの計算方法を用いるのかは、ポジションや課題感によって異なります。
主に、計算方法とポジションの関係性は下記の様になります。

・在庫の個数で求める方法  → 在庫管理の実務に向いている

・売上金額で求める方法   → 実務ではなく決算書を見る経営者層に向いている

在庫の個数での計算方法

在庫の個数で在庫回転数を求める計算式は下記になります。

「在庫回転率= 販売数 ÷ 平均在庫数」

※平均在庫数=(期首在庫数 + 期末在庫数)÷ 2
※現場で在庫管理の改善を目指すうえでは、個数ベースで計算した在庫回転率を目安にするほうが役に立つことになると思います。

売上金額での計算方法

売上金額で求める場合の計算式は下記になります。

「在庫回転率=商品の売上金額(1年間)÷平均在庫金額」

商品の売上金額とは1年間の売上総額のことです。 「年度初めの商品棚卸額+年間の商品仕入額‐年度末の商品棚卸額」で算出することができます。

※売上金額は、変動する可能性のある販売価格ではなく、売上原価を使うように注意しましょう。
※売上総額は「出荷金額」や「売上原価」という表現が使われることもあります。

適正在庫とは?

在庫回転率ばかりを見るのだけではなく、在庫数が適正がどうかを判断するために、
在庫回転率と在庫回転期間を指標として活用する必要があります。

・在庫回転率とは、1年間に何回在庫が入れ替わったのかを表す指標です。

・在庫回転期間とは、在庫が1回に入れ替わるのに要した期間のことです。 在庫回転率が大きく、在庫回転期間が短いほど、適正在庫を維持出来ていると判断することができます。

在庫回転期間の求め方

次の計算式で求めることができます。

「在庫回転期間(1年間)=棚卸資産÷売上金額」

たとえば、年間売上金額が2,000万円で棚卸資産が200万円だったとします。
この場合、200÷(2,000÷365)=36.5となり、平均36.5日で在庫が1回転していることがわかります。
さらに売上高を1年間365日で割れば日ごと、月単位の12で割れば月ごとの在庫回転期間が算出できます。

在庫回転期間を算出すことで、どのくらいの期間(何日分・何ヶ月分)の在庫を抱えていることが把握でき、在庫の仕入れから販売の速さを把握することにつながります。
ある商品の在庫回転期間が2か月/回であれば、在庫が入れ替わるのに2か月必要だということがわかります。

数値が小さいほどその商品を在庫として抱えている期間が短い、すなわち、その商品が売れ筋であることを意味します。

在庫回転率と適正在庫の関係とは?

在庫回転率

在庫回転率と在庫回転期間の両方の指標を活用することで在庫数が適正か判断することができます。
1年間に在庫がどのくらい入れ替わったかを回数で表しているのが在庫回転率です。

たとえば平均在庫金額が1,000万円で1年間の売上金額が6,000万円の場合、在庫は年に6回入れ替わっていることになります。 このときの在庫回転期間は2ヶ月となります。

在庫回転率の数値が大きく、在庫回転期間が短いということは、1年間に在庫が入れ替わる回数が多く、在庫が1回転するまでにかかる時間が短いと考えられ、適正在庫を維持できていると判断できます。

在庫回転率を上げるためにおさえておきたい3つのポイント  ~現状把握~

売上の向上や客満足度の向上は、在庫回転率の向上に密接に関係します。
在庫回転率をさらに上げるためには現状把握が必要となります。

現状把握に必要なポイントは大きく3つになります。

1 . 注文確定から到着までのリードタイムの短縮

注文した商品が顧客の手元に届くまでの時間をリードタイムと呼びます。
このリードタイムを短縮することで顧客満足度は高まる傾向にあると言われています。

そこからリピーター獲得にもつながり、商品の売上げが増加すれば在庫回転率の向上につながります。
現在の注文確定(受注)から発送までのリードタイムを把握し、商品をスムーズに顧客のもとに届けられるよう流れを今一度見直してみましょう。

2 . 在庫状況の⾒直し

在庫が長時間倉庫に残り続けることで新たな商品を入荷することができず、新しい商品を入荷する機会が減少し在庫回転率の悪化につながります。
在庫は適正な数にして必要以上持たないのが理想的です。 在庫管理が不十分なことで商品の存在が見落とされ、非稼働在庫が長く倉庫に放置されているケースも少なくないです。

在庫の管理体制を含めた在庫状況を定期的に見直すようにしましょう。

3. ⽬標の在庫回転率を設定

現状把握ができたら、次に目標値を明確にしましょう。
目標値を設定する際は、過去の同時期に同じカテゴリーで販売実績のある商品の在庫回転率や、同じカテゴリーの商品を扱う同業他社の在庫回転率もあらかじめリサーチして比較することもおすすめします。
比較することで改善の判断基準にもなります。

目標値を設定する際は、次の数式から算出してみましょう。

年間の目標売上金額÷目標平均在庫金額

たとえば、年間の売り上げ目標が2,000万円で、目標の在庫平均金額が200万円なら、
目標の在庫回転率は「10」を設定するのが適切ということになります。

まとめ

ここでは在庫回転率の考え方、計算方法、回転率を向上させるためのポイント等についてご紹介しました。
本記事を読むと、在庫回転率の概要や計算方法を理解でき、 コストやリソース面から見ても効率の良い在庫管理を行うヒントを得る事が出来ます。
在庫回転率を把握することは、最適な在庫数や顧客ニーズを把握することが可能になり、売上向上に直結するとても重要なポイントになります。

自社の在庫回転率を計算し、具体的な改善目標を立てるところから始めることをおすすめします。

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